2005年03月07日

総括(1)「南セントレア市」という新市名

『南セントレア市:伊勢湾に浮かぶ中部国際空港「セントレア」の南に位置する美しい町をイメージすると共に、これからは空の時代となり、日本の中央の玄関として開港されるセントレアと地域が一体となって力を合わせることが、ものづくり日本一と産業・観光立県を目指す、愛知県の発展につながります。
両町はその中で世界のリゾート地と成り得る特性を備えた新市であり、世界へ情報発信でき、最もイメージしやすい市名として命名されました。』(合併評議会だより第2号より)

齋藤宏一・美浜町長:
「セントレアを一番アピールできて、その受け皿となるこれからの観光都市づくりには相応しいんじゃない? ということが皆さんの一致した意見だったと思います。
これからの若い人たちのために、大きな発想で「南セントレア市」・・・ええ、いいんじゃないの?」(2月11日「TBS ニュースの森」)
まず、「南セントレア市」という命名センスがどうこう言うより、これが、合併するためには新市名を現在の「美浜町」と「南知多町」のどちらにも出来ない、という合併協議会の事情からひねり出された、くだらないアイディアだったことを指摘せねばなるまい。公募になかった「セントレア」関係の名前が委員投票で無理矢理ごり押しされたのは、これが合併協議をほぼワンマンで仕切っていた齋藤町長のアイディアで、強烈な根回しがあったからだろうし、別に南セントレアだろうと遷都麗空だろうと何でも良かったわけで、国際観光都市どうのこうのというお題目は完全に後付けだったのだろう。

とにかく、合併を成功させることが彼らの至上命題だったのだから、どちらにも出来ないのなら「知多美浜市」あたりの無難な名前にしておけばいいものを、内外の反発を食らい合併反対票が増えそうなことが分かり切ってる「南セントレア」を持ち出したことは、未だにどう考えてもわからない。単に反発が予想できなかったとしたら、欲ボケに目がくらみ、ご自分に酔っていたと言うところなのだろうか。

話を「南セントレア市」という命名自体に戻すと、それが地域の歴史や文化、特性を踏まえたものでないことは梅原猛氏が明快に指摘するとおりだ。発表当初の住民の反発も「この町に似合わない」ということだった。
また、世間の「ありえないバカ市名」との嘲笑や、その地域に対する侮蔑は悪い意味での今年の流行語大賞に選ばれかねない勢いで過去最大規模の広がりになってしまっていた。完全撤回された今でも、これから地域がその負の遺産を返上していくのはとても大変なことだと思う。

際だって好調な名古屋経済、中部国際空港開港、目前に迫った万博に対して、工場などの安定税源を持たず、財政が破綻しかかっていて、主力の観光業界も10年前から観光客が減りつづけている町の現状などから、何とかあやかりたいという焦りが、イージーにひねり出した「南セントレア市」だったことだろう。

冒頭の後付け理論が言う、単なる玄関にすぎない空港を『主』に、そして地域を『従』にするような地域づくりは、愚の骨頂としか言いようがない。その主従関係が逆でなければ継続的なビジネスなど絶対に望めない。しかも、セントレアは大規模観光地としても定着する方向でトヨタ流の企業努力していて、最大のライバルなのである。

観光客は、えびせんべいの里のえびせんがうまいから、海がきれいで魚介類が旨いから、のんびりした時間が過ごせるからやってくるのだ。観光業界の営業努力があるから来るのだ。高い品質で顧客満足があれば、二度三度来てくれるだろう。

なぜ「受け皿になりたい」とかではなく「美浜・南知多に来るために空港を利用して下さい」となぜ言えないのだろう。「セントレアから観光客を奪う」となぜ言えないのだろうか。「お客様に来ていただいて満足していただける町づくりを、お客様の視点で作っていく」となぜ言えないのだろうか。それは、今まで地方交付税に頼った「努力しない町づくり」をしてきた後ろ向きの町政体質のなせる業だろう。

じゃあ豊田市はどうなのか、と齋藤町長は言うかも知れないが、あそこはトヨタという経済マシンが継続的に成長し利益を与え続けることがあって初めて市の成長と住民の生活が営まれているわけで、空港であるセントレアと知多半島の関係とは比較できるわけがない。

齋藤町長は、住民投票後も「小さい田舎町が世界に有名になった」などと強がりを言っていたようだが、これは悪いイメージをがついて回り、中身の伴わず、商品としての地域のバリューを全く表さない、広告としては最悪の広告だ。単純にテレビでたくさん流れたから広告費としたら何十億円分とかの議論はあたらないと思う。

合併の破談で、町はスタートラインに戻っただけで、問題は何も解決されていない。これからが勝負だ。今回のことで「転んでもただでは起きない」のであれば、「南セントレア市」の話題性を今更弄ぶ暇など無く、町政・予算の刷新と、各種物産や観光資源の品質とサービス、そして顧客満足の向上にカネと時間を使う方向に修正することがそれだろう。なぜお客様が減っているのか、その真の原因を徹底的に顧客の視点で考えてみるべきだ。たとえば、オフシーズンに売り物がないのなら、何もないことを逆手にとって営業努力すべきなのではないか。現在、強いブランドとして経営をしている観光地は、そういう不断の努力をしてきて生き残っているのだから。

コストを圧縮するのは当然、そして単町でも稼げる町づくりへ再スタートしていただきたい。

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やっぱりエビが好き



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【責任問題は?】合併にNO! そして次のステップへ【町づくりは?】
posted by 故郷は美浜 at 22:20 | TrackBack(0) | 総括 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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