●NHK名古屋放送局「ほっとイブニング」（NHK）
●東海テレビ「スーパーニュース」（フジテレビ系列）
●CBCテレビ「ユーガッタ！CBC」（TBS系列）
●中京テレビの「ニュースプラス1」（日本テレビ系列）
●メ〜テレ「スーパーJチャンネル」（テレビ朝日系列）
●テレビ愛知「ニュースアイ」（テレビ東京系列）
各局とも、在京キー局からの全国ニュースを間に挟んだ報道・情報ワイド番組であり、その全国ニュースでも今回の住民投票が大きく取り上げられている（テレビ愛知は未確認）。
ローカル局では、その全国ニュースの前後のローカルニュース枠でこのニュースを1、2回づつ取り上げているのだが、ローカル局ならではの掘り下げた内容になっている。
ローカル局の報道内容は下記の通り。
●NHK名古屋放送局「ほっとイブニング」（NHK）
「合併に "ノー" の民意なぜ」
・住民投票の結果、合併反対が大きく上回った。新市名も必要なくなる。
・町への不信感や新市名の決定手順への批判を口にする住民インタビュー
・近年観光客が減って落ち込む美浜町・南知多町の観光業のレポート
・観光業の復活を狙った「南セントレア」だったが民意無視で一旦撤回
・新市名問題とともに住民の合併問題への関心の高まり
・合併否定の民意を前に悔しさをにじませ、町民の責任を強調する齋藤町長
・記者「十分に時間をかけるべきだったが合併特例債の期限で時間がなかった。」
「厳しい財政の中で、住民自身が積極的に町づくりに参加する必要」
●東海テレビ「スーパーニュース」（フジテレビ系列）
「"南セントレア市" 合併そのものが白紙に」
・投開票日の模様、住民投票・新市名アンケート開票結果
・齋藤町長「末端まで理解してもらうには時間がなかった」
・一夜明けての住民インタビューのまとめ
「合併の必要性を感じない」
「小さな町同士での合併では意味がない」が多数
・合併特例債のために急ぎすぎ、住民の理解を得られないまま投票に
・専門家の意見 名古屋産業大学 和泉潤学部長：
「新市名を含め強引に押しつけられた合併に住民が反対に動いた」
●CBCテレビ「ユーガッタ！CBC」（TBS系列）
「何だったのか」
・「南セントレア市」という奇抜な名前が出た背景は？
・「迫る期限」：3月末の合併特例債の期限に間に合わせようとした合併協議会にはもともと批判があった。
住民「町民の意見を聞いてもらえない」「町長のやり方に問題があった」
・「名前でもめたくない」：対岸の渥美半島で新市名がまとまらず合併が白紙になったことがあった
齋藤町長「『南知多市』でも『美浜市』でもいけない」（1月のインタビュー）
・「強引なやり方」：公募に無い「セントレア」の名前の入った委員案を合算し、強引に「南セントレア」に決めた
・これら3点が全て裏目に出た 住民インタビューで不満の声
・性急な合併協議にもともと不満の声があったところに、奇抜な新市名が出て反対の声に拍車がかかった
・合併協議会は一旦「南セントレア市」を撤回したが、住民の合併反対の声は強かった
・キャスター「住民の意見を聞きましたよ、というポーズをするだけのために公募をしたのではないか。公募した以上はそれを活かすべきだ」
●中京テレビの「ニュースプラス1」（日本テレビ系列）
「あぁ・・・幻の "南セントレア市"」
・住民はなぜ合併計画の「ノー」を突きつけたのか
・「南セントレヤ市」とわざと間違える、合併熱に浮かされた齋藤町長。不吉な前兆。
・一旦撤回から住民投票の結果までの経緯の「おさらい
・住民の声「白紙に戻って良かった」「時間をかけるべきだ」「住民の声をもっと聞いて進めたらいい結果が出たかも」
・新市名アンケートの結果。齋藤町長「幻の南セントレア市だが、全国的世界的に知られて良かった」
・住民の理解を置き去りに突如突きつけられた「南セントレア」。全ては水泡と帰した。
（砂浜に書いた「合併」の二文字が波で消されていく映像）
●メ〜テレ「スーパーJチャンネル」（テレビ朝日系列）
「新市名騒動から合併白紙に」
・この「ドタバタ劇」の裏側に何があったのか
・「合併賛成」「南セントレア市」に投票する齋藤町長
・住民の声「奇抜な新市名で関心が高まった。住民としては賛成反対のどちらでも投票に来たいと思った」
・今回の住民投票に至る経緯。「繁盛する「セントレア」にあやかってつけた「南セントレア市」が間違いの始まり」
・合併協議会職員「素晴らしい地名を消すな、日本人なら歴史文化を考えろと批判がたくさん来た」
・石橋弘紹委員 「謝罪という形を取るべき」 近藤建二委員「謝罪の必要はさらさら無い」で結局住民アンケートへ
・住民の声「奇抜な新市名で合併反対が増えた」「合併が決まってないのに新市名はおかしい」
・投票結果判明。齋藤町長会見「広域合併のときは『セントレア市』で」
・一夜明けて住民インタビュー：
「こんな小さな町2つが合併しても何もメリットがない」「合併にしても名前にしても急に出た話で、住民が置き去りにされ、反発があった」「最初は合併賛成だったが、新市名などを勝手に決められたので反対に回った」
・専門家の意見 名城大学 昇秀樹教授：
「圧倒的多数が合併反対というのは全国的に見ても非常に珍しいケース」
「合併の必要性が住民に町が思うほど浸透してなかった」
・キャスター「これからどんな町づくりを目指すのか、住民と行政の課題です」
●テレビ愛知「ニュースアイ」（テレビ東京系列）
『合併そのものに"ＮＯ"』
・投票率70％台との町民の高い関心は、実は新市の名前のために集まったわけではなかった
・住民の声「複雑な気持ちだ。合併そのものの議論があるのに名前のことを言われても・・・」
・（合併白紙を受け、一夜明けて）
齋藤・美浜町長：
「うーん・・・疲れた。合併は、当分は出来ない」
・厳しい赤字財政をどう立て直すか。齋藤町長自身は今も「南セントレア市」という名前に心残りがあるようだ
齋藤・美浜町長：
「国際的な視野から眺めたら、企業もほとんど横文字だ。
ちょっと早すぎた・・・早すぎたかも知れない」
やはり「南セントレア市」が食いつきのキーワードになってしまってはいるのだが、きちんと掘り下げている。
ざーっと読んで明らかにわかるのは、各局ともついているポイントが
「民意無視で強引に進めた合併協議・町政への反発が、高い投票率での圧倒的な合併反対につながった」ということだ。
特にCBCの「合併特例債の期限」「名前で失敗した渥美の合併例の懸念」「強引で恣意的な新市名の決定」の3点に整理した分析は、的を得ていてわかりやすい。
各局とも前後で放送されている東京発の全国放送のニュースでは「南セントレアどころか合併もダメになっちゃいました。残念！」や、齋藤町長の芸人ぶりに焦点を当てるなど、ほとんど面白半分のワイドショー的報道をしているのに対し、さすがに地元メディアはきちんとポイントを捉えている。
以前のエントリー『「南セントレア市」マスコミ報道に惑わされず、まず合併の是非を』（投票前）や『合併はなぜ否定されたのか』（投票後）などで、「南セントレア市」ばかりに食いつき齋藤町長をタレント扱いして論点を正確に伝えない、特に在京メディアに関して批判めいた記事を書いたが、地元局はきちんと伝えているようで安心した。やはり地域の記事は地元メディアのアウトプットを直接見聞するに限る。
ただ、結果が出た後だけでなく、投票日前にも投票行動に大きな影響を与えないスタンスで、テレビメディアでもきちんと報道していればいいなと思うのだが、今となってはわからない。
新聞では、特に中日新聞の知多版を中心に、地元の通信局の下条記者がきちんとした記事を書いていて、とても助かった。自分は地元の人に記事を送ってもらって読んでいたが、地元以外の人はウェブに出ていた記事以外は読めなかっただろうから、その点が残念だ。
コストとの兼ね合いもあるだろうが、よりネットを活用して、商業的なバリューが小さくても大事な記事については、より多くの論点が広く伝わるようになればいいな、と思うところだ。
BEFORE
AFTER
（クリックで拡大します）
このエントリーへのご意見などは、掲示板の下記のスレッドなどにお願いいたします。
【責任問題は?】合併にNO! そして次のステップへ【町づくりは?】
【住民投票】2月27日投票日 実況スレッド【新市名アンケート】
