美浜、南知多両町の合併の是非を問う住民投票の期日前投票に訪れる人が目立っている。両町選挙管理委員会とも「ふだんの選挙よりかなり多い」と話し、投票した住民の中には「南セントレア市」問題を機に合併に関心を持ったという人も見られる。
以前にも書いたが、今回の「南セントレア市」での唯一のケガの功名は、住民の合併問題そのものへの関心が高まったことである。
自分が当初から一番危惧していたのは、この珍妙で恥ずかしい、くだらない新市名候補の問題で、合併問題そのものが十分議論されずに住民投票が行われてしまうことだった。
最初は新市名の決定プロセスや地名としての不適切さなどに大半の議論が集中していたが、2月9日に一旦撤回され住民アンケートが決まった後は、掲示板などでは本来の合併そのもの是非や合併協議の不十分さなどの論議中心に話が戻っていった。
「南セントレア市」に驚いて始めたこのブログのエントリーも、一旦撤回以降は合併問題そのものを中心に話題をかなりシフトさせてきている。
種々の行政サービスレベル、財政と住民負担、産業振興と町民の収入・税収アップの施策、予算の使い方、三位一体改革、広域合併と地域のあり方・・・
両町の将来を決めていくのはこうした重要な問題であり、人々のこだわりは当然あるが、新市名の将来に占める役割は、実は本当に些細なものでしかないと思う。
合併特例債というアメ玉に飛びついて、議論を尽くさない合併協議は大いに問題がある。しかしいまの段階でこの特例債を手に入れないとあっという間に破綻するかも知れない。その使い道はもっと重要だ。教育・福祉サービスはどうなるのか? ・・・様々な問題をよく考え、見極めて住民投票に行って欲しい。
しかし、今日のフジテレビのスーパーニュース、テレビ朝日のスーパーJチャンネルをはじめとして、マスコミの取り上げ方は「南セントレア市」ばっかりだ。タイトルはまだしも、中身でも肝心の合併問題はほとんどなおざりにされている。
もちろん、表記の記事を書いている中日新聞の下条記者をはじめ、地元の記者の方はきちんと取材している人も多いのに、視聴率・営業優先で総ワイドショー化したテレビの報道は特にだが、どうしてもマスコミは「南セントレア市」にばかり食いついている。キャッチーなのはわかるが、特に今は投票日直前で、明日投票に行く住民が見ているのだから、合併問題そのものについても、ちゃんと内容面では報道していただきたい。
今回の問題は、まず合併問題の是非がメインテーマであり、同時に問われる新市名アンケートは完全に従である。今現在のテレビなど報道の傾向は、住民をミスリードさせていくものだと思う。
「診療日記」さんの「表現の自由」より(2004年05月20日)
どうも最近、マスコミによって大事な問題の論点を巧みにはぐらかされている気がしてなりません。
年金問題なんてその良い例ですよね。
我々は、どういう改正が行われるかが知りたいのに、マスコミは大して知りたくも無い議員の粗探しばかり。
過去議員が保険料払ってたかどうかなんて、年金問題の大勢に殆ど影響しない
今年金が抱える問題の大きさからすれば、議員やキャスターの未払いなんて実に些細な話です。
騙されてはいけません。
今回の「合併問題と新市名『南セントレア市』問題」と、この昨年の「年金改革問題と国会議員・キャスター年金未納問題」は、報道的に全く同じ扱われ方をしているわけだ。メインテーマが全然追求されてない。
この「診療日記」さんのエントリーにあるように、マスコミが表現の自由に伴う責任を本当に果たしているのか、自分も本当に疑わしく思っているが、派手な「南セントレア市」報道に惑わされず、住民の方々はまず合併の是非を真摯に考え投票して欲しい。そして、合併に賛成する人は新市名アンケートに答えていただきたいと思っている。
#「南セントレア市」を阻止するためには、合併反対でも他の候補に投票するしかないのがシャクだが・・・
というわけで、遅ればせながら、このブログのタイトルも、
「2月27日 美浜町・南知多町 合併の是非を問う住民投票に行きましょう」
に変更した。

里山に上る小径
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2月27日 合併住民投票・新市名アンケートにむけて