2005年02月15日

合併協会長・副会長の「合併を進める会」からの退会を勧告

昨日行われた「合併の是非・新市名の同時投票の取り消し」を求める異議申し立てと同時に、「合併協会長・副会長の「合併を進める会」からの退会」を勧告する文書も手渡された。


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勧告書(左)と「合併を進める会」の折り込みチラシ
(クリックで拡大します)


これは、法定合併協議会の会長(齋藤宏一美浜町長)・副会長(森下利久南知多町長)が「合併を進める会」の会員となり、「住民投票は合併賛成に○」と大書されたチラシ(新聞の折り込みなどで各家庭に配布)に会員として名を連ねているのは住民の誤解を招く、という問題だ。

勧告書では、
住民代表として法定協の委員となられた方々は、公正な立場で法定協の審議に臨んでみえるのが本来の姿でしょう。

『合併を進める会』の会員の一人として、個人の立場で合併を進める会に加入しているから、今回発行された合併を進める会の折り込みチラシに記載されていても問題はない、とおっしゃっても、別段違法性は全くないと解釈できます。
でも、チラシに(会長・副会長の名前が)記載されていることが、団体を背負って合併賛成を表明されていると勘ぐる町民もありますから、この際、誤解を招かないためにも、チラシに記載されている会長・副会長・法定協委員さんが『合併を進める会』から一時退会され、合併問題が片づいてから再加入されるよう勧告します

何が何でも合併へ、と強行審議し、十分な質疑のないまま提案事項が決定されている法定協のあり方に、住民無視の進め方との批判が多いことを今一度反省され、変な誤解を招くことの無いよう身を処せられるよう要望します。

としている。

法定合併協議会の進め方に法的規定や(総務省の)ガイドラインの縛りはきつくなく(合併促進のためと思われる)、こんな事も法的に問題ない事になってしまっているわけだ。


法的に問題が無くても、道義的にはどうなのか。

法定合併協議を主宰し、住民の請求によって合併の是非を住民投票にはかり、その結果を尊重する立場の会長・副会長が、しかも両町の町長が、個人の立場であろうとビラを使って合併賛成運動を展開する、というのは明らかに誤解を招くだろう。

合併を何が何でも進めたいので手段を選ばない状況に陥っているようだ。その立場はわかるが、いくら何でも道義的にやっていいことと悪いことがあるのではないか。法定合併協議会の委員は公的で公正に合併を審議する立場なのに、住民説明会などで合併の詳細を説明する以外は、町長の顔をちらつかせつつ個人的に賛成運動などを積極的に進めるのはおかしいのではないか。

だいたい、この勧告書にもあるように、法定協の委員は各団体の長を集めているわけだが、基本的に合併賛成派の人しか集めていないそうだ。そりゃ議事も質疑もほとんど無く「異議なし」「異議なし」でさくさく進もうというものだ。

ちなみに、会長副会長以外で、合併協議会委員でこのチラシに名前を乗せている人も4名ほどいらっしゃる。
合併協議会委員の名簿はここにあるので、ひとつチラシと照らし合わせていただきたい(ちなみに美浜町の側の方ばかりだ)。

「合併賛成に○を!」の街宣車も、美浜町役場の駐車場に置いてあるそうだ。何をかいわんや。
町長、これに毎日乗ったりしてないでしょうね・・・

町長の発言を聞いていると、そのうちに「新市名アンケートでは「南セントレア市」に○を!」とか、ビラに書きかねない・・・気を付けて監視していただきたい。


ちなみに、合併に反対する立場のグループ(も、合併に反対するように折り込みチラシをまいたり、合併反対の立て看板を立てたりしているようだ。

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合併反対派の折り込みチラシ(左)と立て看板
(クリックで拡大します)


いろんな運動や賛成・反対を促す折り込みチラシ、街宣車が行き交ったりして、町や住民は不安な状況にさいなまれているだろう。

ぜひ、ご自分の目で合併の是非を考えて頂き、ご自分の意志で投票をして頂きたいと思う。

※この同時投票の異議申し立てや上記の退会勧告を行った住民グループは、合併に反対する勢力ではない。上記の合併に反対するグループとも無関係です。むしろ、町の状況を鑑みて合併には積極的な考えを持たれている方々です。しかし、今回の性急で議論を尽くさず、民意を反映しないやり方で合併を強引に推し進めてしまうのはよくない、ちゃんとやって欲しい、と町の将来を考えて行動されていますので、そのところを誤解無きようお願いします。

(追記 2/17)
この記事によると、齋藤・美浜町長は、「新市名を住民アンケートで決める」という第3回合併協議会の議決には参加していないのだそうだ。

「南セントレア」新市名に待った 愛知の合併市、全国から抗議
合併協委員24人による9日の採決で「南セントレア市」を容認したのは3人にとどまり、「住民の意思を反映させるべきだ」などとアンケートでの決着に賛成する委員が3分の2を超えた。「街に似合わない名前。住所を書くのが恥ずかしい」(美浜町の女性)などと殺到した抗議に委員が押された格好だ。
なるほど、議決に参加しなかったから、「南セントレア市」を声高に主張しても問題ない、という論理なのだろうか。しかし、それでは議決されたことに対する合併協議会会長としての責務はどうなるのだろうか?


※「故郷は美浜」@管理人自身は、合併そのものには賛成でも反対でもありません。こちらをお読み下さい。
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2月27日 合併住民投票・新市名アンケートにむけて
posted by 故郷は美浜 at 23:32 | TrackBack(0) | 2町合併のプロセス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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