2005年02月09日

中日新聞の「南セントレア市」関連記事2点について

メディア記事一覧のエントリーに上げた、2月8日の中日新聞の「南セントレア市」関連記事2点について、ツッコミを入れていきたい。この色の文章が私のツッコミである。

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南セントレア市 新市名 是か非か - 中日新聞朝刊(知多版?)
 斎藤宏一・合併協議会長(賛成派)と浜野幸治・南知多町区長連合会副会長(反対派・ホテル経営)のインタビュー記事

斎藤氏のインタビュー「公募も尊重、温かみ感じる」

(批判が強いが)
「新市名の『南』は位置だけでなく、ほのかな温かみを感じさせ、両町をイメージさせてくれる。この名称で、両町の歴史や地域が変わることはない。
変わるに決まってるじゃないですか。「南知多」「美浜」から「空港の南の方にある町」という意味の地名に変わるのですよ。生活への影響は大きいです。前回の公開書簡この辺のエントリーにいっぱい理由は書いてあります。
(公募になかった名称だが)
「ただ、公募も尊重しながら(議会や商工会、婦人会などの代表ら)各委員がそれぞれの団体の声を吸い上げ、それを取り入れて決めたと考えている。公募を選考から外したわけではない。
どこが尊重しているのでしょうか。現在の両町名を使えないと言う理由はある程度理解できるが、一体、議会や商工会、婦人会からどんな声が挙がったのだろうか。「セントレア」という単語を含んだ案は公募の中に一件もなかった。この結果を尊重して、議員案にあった単語「セントレア」を含む案をを新市名の候補から外すのならわかる。公募を尊重するとはそういうことではないのか。
「一番大切なのは、両町の財政状況を含めて合併の是非を総合的に判断すること。」
町長と私の意見が合うのは、どうもここだけのようですね(笑)

浜野氏インタビュー「地域住民に戸惑い、再考を」

「どうしてそういう名称になるのか理解できない。内海(うつみ)に住んでるが、この響きが好き。何か情緒を感じさせる。そんな地名は各地にいっぱいある。たとえば「湯布院」なら何となく湯煙が漂う町を想像させてくれる。自分の町の名前もそうあって欲しい。」
全くです。「南セントレア市」に、誰が郷愁を感じるというのでしょうか。一人歩きした名前だけで、どんな風景を想像するのでしょうか。そら恐ろしいことです。

(ホテルを経営しているが、観光客への影響は)
「話題性はあり、最初は訪れるかも知れないが、長い目で見ると、この地域のイメージアップにはつながらないと思う。」
全く同感です。このエントリー「暮碑銘が墓石に刻まれる前に」に詳しく書きました。
合併には賛成だが、名前が嫌だからとちゅうちょしている人がいる。(中略)名称ばかりが注目される今の状況は、住民投票の本来のあり方ではない。」
同感です。ですから、今日の合併協議会で撤回してもらい、健全な住民投票をお願いしたいです。

様々な批判の声がある以上、再考してもらえるのが一番いい
当たり前ですよね・・・人の言葉に耳を傾ける行政であって欲しいと思います。

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住民の批判殺到「南セントレア市」- 中日新聞夕刊
  「合併賛成だけど」 配慮 空回り

「まったく、ふざけとる。美浜町のキャッチフレーズは『美しい町、優しい心、ふるさと美浜』。セントレアなんて地名でふるさとを感じますか。町内の字名は豊浜とかなのに、南セントレア市豊浜って合わない」(美浜町 喫茶店主 六二)
すばらしいキャッチフレーズですね。それに豊かな Quality of Life を提供できるソフト(決して箱モノ的ハードや一発屋的イベントではない)が伴っていれば、移住したいと思う人も多いのではないでしょうか。
この勢いだと、豊浜は「南セントレア市リッチビーチ」か何かにさせられるかもしれません・・・本当にどこかの外国にありそうな地名だし
「合併には賛成だけど、この新市名を殺すためには反対するしかない。
 大反対。ばかばかしい。国際化という言葉を勘違いしてるんじゃないか。町にはお年寄りが多いのに、片仮名では覚えられない」(南知多町 自営業者 四二)
こう思われるのも仕方がない状況です。ですが、新市名だけに盲目的にならずに、一応そのほかの要素である、財政、教育、産業振興、福祉、行政サービスに関しても考慮してみていただきたいです。その上で、新市名をなくすためには合併反対しかないと判断するのであればその判断は有意義なものとなるでしょう。

「美浜町の町長は協議会が開かれる前の(一月)二十五日の住民説明会で『新市名はあっと驚く名前になりますよ』と発言していたという情報が入っている」(南知多町のある町議)
これが大きな問題です。1月27日の第2回合併協議会の始まる前(上の住民説明会はその2日前)に、「南セントレア市」もしくは「セントレア市」が協議委員から多数投票されると言うことがわかってたという事でしょうか。それが事実なら、つまり協議会メンバーでの投票は完全に根回しがすんで、出来レースだったということでしょうか。
それとも、南知多市が一位になっちゃったのはハプニングで、「2/3/4位の合計」はその場しのぎの苦肉の策だったかも知れません。相変わらず議事録が出てないので議事での経緯がわかりませんが。
美浜町長のセリフも、今言いたくってしょうがないような、なんだかうれしそうな感じですし・・・
谷川彰英・筑波大学教授(地名研究)の発言
「後代への恥だ。やめといた方がいい。」

「谷川教授は新市名を決めるときにしてはいけない五原則を掲げている。」
1)ひらがな、片仮名は使用しない
2)他の地域と識別できない名称は使わない
3)東西南北は原則として使わない
4)人名は評価が変わってくるので要注意

5)濁音を二つ以上使わない
地域の特性を反映した地名がなくなることは、顔がなくなってしまうことと同じです。どんどん顔がなくなれば、日本は沈没したも同然
「南セントレア市」は谷川教授が上げる地名の五原則の内、実に4つから逸脱しています。4)の人名も、空港名・ブランドと考えればいいでしょう(このエントリー参照
ヨーグルトキック」さんもここで危惧されてますように、変な地名が横行すると、なんだか想像もつかない、訳のわからない国になってしまいそうで怖いです。
posted by 故郷は美浜 at 10:01 | TrackBack(1) | メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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