それにしても、新市名「南セントレア市」で、いったいなにを「世界にアピール」するのだろう。
北方の彼方のセントレアと一体になった町づくりといって、具体的にどういう観光プロモーションを計画するのだろう。
名古屋方面にから空港に行く客に「空港の南の向こう側にも(南)セントレアがあるから、ちょっと寄ってってよ・・・(セントレアとは直接関係ないけどさ)観光資源(美浜 南知多)にもどんどん(南)セントレアブランドつけちゃうよ・・・南セントレアビーチ、南セントレア小唄、南セントレア祭り、南セントレアみかん・・・」ってことなのか。
しかし、「なんにも☆せんむ日記」さんが言われるように、
また、セントレア(CENTRAIR)は中部国際空港(株)の登録商標(第4566713号)です。特許庁で調べたところ22分類に登録してあり、ほとんど全てのモノとサービスにこの名前を使う事が出来ません。ですから、空港に無断で南セントレア市のお土産「セントレア饅頭」とか「セントレア煎餅」はできません。商標の使用料を払えばいいけど中小企業に払えるのか、商標の許諾を取る手間はどうするのかと言うのも問題。地元の人が地元の名前を入れたお土産を自由に作ることも出来ないのです。そんなばかな・・・・
「南セントレア市」自体、単に、公募・協議会委員の投票の両方とも1位になってしまった「南知多市」を、南知多町から合併を頼まれている立場としては受け入れられない美浜町が、合併をまとめるのに必死で思いつきでひねり出した案だろう。それを思いついた以外は、今のところまだ何も考えていないだろう。
まあ、どこから見たって、そんな超変化球の新市名「南セントレア」でのマーケティングなど、あまりにリスキーすぎる。しかももともと合併を成立させる手段としての思いつき。
そんな付け焼刃の、何の中身も計画もバリューも伴わないマーケティング戦略で、地域の観光ビジネスが長続きするわけがない。
とにかく、ブランド名と既存の観光資源(美浜 南知多)の間にギャップがありすぎる。だれもそんな安看板だけで中身のないプロモなんて、ちょっとセントレアブームが一段落したら、その空港の先の南セントレア市では、安物のメッキのようにボロボロとはげ落ちていくだろう。そのときはもう遅い。投資も回収できてるかどうかなんて全くわからない。
そんなマーケティング戦略、どの代理店だって提案しない・・・いや待てよ、地方自治体の財源をぼったくるだけぼったくって、金がなくなったら「ハイさようなら」、って感じのハゲタカ代理店ならやるかも知れないな。だってじゃぶじゃぶ儲かるもん。
だいたい、紙切れ一枚もないし何も検討もしていない・・・で、各事業者に「南セントレア市」を受け入れろという方がどうかしている。そんな思いつきと一蓮托生でこれからやっていくの?
逆にそれは、既存の質の高い観光資源(美浜 南知多)を貶めるものだ。もっと観光資源自体の質やサービス、名古屋で言うところの「お値打ち感」を高めて、顧客満足を高める努力に経営資源を使った方がいい。リブランディングしたって、結局生き残ってる製品やサービスは「本物」でなおかつ「お値打ち感」の高いものだけなのだ。
いままで両町で長い間、必死になって観光産業や農林漁業などの質を高めて頑張ってこられた現場の方々。
本当に「南セントレア」でもっと売れるようになると思いますか? もっと人が来ると思いますか? 今どう思ってますか?
確かに現状の打開策、魔法の銀の弾が欲しいのはわからなくもない。でも、「南セントレア市」のバブル(しかもしょぼい)が過ぎ去った後に残るのは悲惨な残骸だろうことを忠告しておく。そんな破綻、世の中にいくらでも例があるだろう。
第一、バブル崩壊を堪え忍び、「本物」の製品・サービスを世に問い続け、必死で地道な努力をしてそのお値打ち感を高めてきたことが、この不況のなか勝ち組になりつつある名古屋企業の最大の特長ではないのか。製品・サービスの質を見極めた上で、安いかどうかもしっかり見極めるのが、無借金経営で鳴らす名古屋ビジネスの基本姿勢ではないのか。その成功法則が「南セントレア」のバブリーなリブランディング戦略ありきじゃ全く適用できないよ。
(あっ・・・名古屋じゃなかったですね・・・失礼しました名古屋の方々・・・)
「人々の声(3)」でも取り上げた「ARK部屋」さんのエントリー「続々・「南セントレア」」。鋭い視点で、実体のないセントレア主体のまちづくりの危うさを説いている。再び引用する。
「南セントレア市」は、南知多・美浜町の生活とは全く関係ないセントレアを象徴にし、今後は市民の感覚からかけ離れたところで空港主体の街作りを行っていく気らしい。
その街作りの内容とて、整備事業とかナントカ銘打ってコンクリートやアスファルトを敷きつめていくのではないだろうかと岐阜県民である俺は思うのだが、どうか。合併特例で有利な条件でローンが組めるのも、それに拍車をかける要因ではないだろうか。
(中略)
現段階でセントレア主体の街作りを推進すれば、これまでの南知多・美浜町のあり方がブチ壊されてしまうのは間違いない。「南セントレア市」は南知多・美浜町の墓石に刻まれる墓碑銘なのだ。
Earth Wind & Fire の "Written in the stone" 、海援隊の「石に刻め」。
「石に刻む」というのは洋の東西を問わず「大確定」「終焉」を意味する。
「南セントレア市」を石に刻んでしまったら終わりなのだ。
しかも暮碑銘として。
明日、2月9日9時30分から、第3回合併協議会がある。
今ならまだ間に合うはず。
野間の海水浴場のひなびた感じの看板ゲート。
「南セントレア海水浴場」にしたらすぐ人が押し寄せるとでも
思っているのか
このエントリーに関するコメントは掲示板の下記のスレッドへお願いします。
今、何が出来るか 新市名「南セントレア市」撤回へ